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死ぬな! (小冊子死ぬな!コラムより)
「生存それ自体が孕(はら)んでいる絶対の孤独。……この暗黒の孤独には、どうしても救いがない。……最後に、むごたらしいこと、救いのないということ、それだけが、唯一の救いなのであります。……救いがないこと自体が救いであります。」(『文学のふるさと』坂口安吾著)

 15歳から坂口安吾を悩むと読んできました。未だに良く理解したとは言い難い。がしかし、この文章を読むとなんとなく、安心し、落ち着きます。人類始まって以来の生きて行く事自体に避けられない、否、生存自体の孤独を孕んでいる。なんと厳しい言葉でしょう。世間で言う、「生きていれば楽しいことも嬉しいこともあるから頑張ろうね!」そんな次元とは異なる視点。救い様のない、突き離された、余白の無い言葉に、何故安心するのでしょうか。それは、本質を言い当てているからに他ならない。本質とは厳しくむごたらしいものなのでしょう。それを避けて通ろうとする弁法があります。それが蔓延しています。一生本質が見えないほうが幸せかもしれない。しかし、見えた人には救いはありません。見えた人は、本質に気が付いた人、選ばれた人かもしれません。

 そこで、そして、それでも、私は言いたい。

 生存=絶対の孤独を携えて生きよう。そして、あなたが、あなたに”死ぬな”と呟いてみよう!!

齋藤正行

新潟・市民映画館シネ・ウインド代表 NPO法人新潟NPO法人前代表理事

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